『犬みたい』って誰が決めたの?——子ども用ハーネスに込めた親の想い

ハーネスをつけた子どもと手をつなぎ歩く家族の後ろ姿 育児のリアル体験談

「犬みたい」って誰が決めたの?——それでも私がハーネスを使う理由

公園やスーパーでハーネスをつけた子どもを見て、「犬みたい」「手をつなげばいいじゃん」「親がしっかりしていれば、そんなもの必要ないでしょ」…そんな声が聞こえてくることがあります。

SNSでも、「子どもがかわいそう」「虐待っぽい」などのコメントが目立ちます。でも、それって本当に現実を知ってる人の言葉でしょうか?

実際の育児は、もっともっと想像以上に大変です。子どもは手をつないでいても、するっと抜け出してダッシュすることもある。

抱っこしようとすれば、まるで“軟体動物”のようにクネクネ逃げる……!
親の思い通りに動いてくれるなんて、夢のまた夢です。

だからこそ、ハーネスは「命を守る最後の手段」として、必要とされているのです。

リュック型・手首型など、使いやすさも工夫されていますが、手首型は意外と装着に手間がかかったり、重かったりして、小さな子には負担になることも。

それでも、親たちは工夫しながら「安全」を守ろうとしています。そうした“見えない努力”の先にあるハーネスを、「見た目だけ」で批判するのは、あまりにももったいないと思いませんか?

🧡「親がしっかりしていれば不要」…それって本当?

「親がしっかり見ていれば、そんなものいらない」ハーネスを使っていると、そんなふうに言われることがあります。

でも、育児をしている人ならわかるはず。
子どもって、予測不能な動きをする生きものなんです。

わが家では、子どもが歩き始めた頃から、ハーネスを使うことを夫と相談して決めていました。

「過保護かな?」「目立つかな?」と少しだけ迷いもありましたが、“何かあってからでは遅い”という気持ちのほうがずっと大きかったんです。

そしてある日、本当にハーネスが“命綱”になった瞬間がありました。

買い物帰りに駅の階段を降りていたときのこと。いつもは手をつないで降りるのですが、その日は「じぶんで!」と子どもが強く主張して、数段だけ、ひとりで降りる姿を見守っていたんです。

ところが次の瞬間、足を滑らせて前に倒れかけてしまって…。そのとき、私の手にはハーネスのひもが。とっさに引いたことで、階段から落ちずに済みました。

子どもの「やってみたい」という気持ちを尊重しながらも、安全を守るための手段として、ハーネスがそばにいてくれたんです。

子ども家庭庁が実施した「こどもまんなか意見ひろば」にも、「ハーネスへの理解を促進するべき」という声が寄せられていました。
👉 こどもまんなか意見ひろば(PDF/子ども家庭庁公式サイト)

現場で子育てをしている人たちのリアルな声として、ハーネスという選択肢が、確かに存在していることがわかります。

それは、“ラクをするため”なんかじゃない。
あの日、無事に帰れたこと。
それが、私たちにとっての答えになりました。

🐝「かわいくて安心」どちらも叶える、ハーネス選びのヒント

黄色いハチのリュック型ハーネスをつけて遊ぶ幼児の後ろ姿
娘がこれをつけて歩く姿はかわいらしくて、キュンキュンの毎日でした💕

ハーネスを使うことにためらいがある理由のひとつに、「目立つのがちょっと……」「なんとなく抵抗がある」という“見た目”への意識があります。

でも最近は、かわいいデザインやシンプルでおしゃれなタイプなど、見た目にこだわったハーネスがたくさん登場しています。

子ども自身も「つけたい!」と思えるようなデザインだったり、親子で一緒に選ぶことで、“つけたくない”という気持ちを和らげられることもあります。

わが家では「ハチさんリュック」のリュック型ハーネスを使っていました🐝明るい黄色に羽根がついていて、娘もすっかりお気に入り。

公園では「かわいいね!」と声をかけられることも多く、ご年配の方から「今はこんなにかわいくていいものがあるんですね」と驚きとともに褒めていただいたこともありました。

リュック部分には、おむつが1枚入るくらいの小さな収納もついていて、ちょっとしたお出かけにもぴったり。“守るための道具”でありながら、親子のお出かけを楽しくしてくれるアイテムになってくれました。

リュック型・手首型など子ども用ハーネスの種類を描いたイラスト
ハーネスの種類。リュック型(左)と手首型(右)が代表的です。

リュック型ハーネス
・可愛いデザインが豊富
・子どもが“自分のかばん”として楽しめる
・肩紐タイプで外れにくく、軽い収納もOK

手首型ハーネス
・子どもと大人の手首をコードでつなぐタイプ
・両手が空くのは便利だけど、元気な子は引っ張りすぎて転んでしまったり、コードがピンと張って体をひねるような動きになってしまうことも
・使うシーンや子どもの性格に合わせて検討を

💬ちなみに我が家も、手首型を購入したことがあるのですが、娘が「つけたくない!」と嫌がってしまい、サイズもかなり大きめでうまく使えず…結局リュック型に落ち着きました(笑)

2way・3wayタイプ
・リュック+手首+誘導ベルトなど、組み合わせ自由
・シーンに合わせて使い分け可能

どのタイプが合うかは、子どもの性格やお出かけスタイルによって違います。「これなら安心できる」と思えるアイテムを選ぶことが、子どもにとっても親にとっても、いちばんの“安全”につながるはずです。

🧠ハーネスをめぐる“本当の課題”とは?

ハーネスを使う・使わないに正解はありません。家庭によって事情も子どもの性格も違うからこそ、一人ひとりが「わが子にとって最善の方法」を選んでいるだけのこと。

それなのに、「犬みたい」「親が怠けてる」などの心ない言葉が、いまだにSNSや現場で聞こえてくるのが現実です。

子どもの命を守るために選んだ道具を、まるで親の“怠慢”のように扱う風潮がある限り、本当に大切なのは「ハーネスを使うかどうか」ではなく、その背景にある親の気持ちに寄り添うことではないでしょうか。

「ハーネスって、ペットみたい」
そう感じたことがある方も、きっといると思います。親が子どもを“ひもでつなぐ”光景に驚いたり、少し抵抗を感じたり——それは自然な感情かもしれません。

でも、その気持ちをそのまま言葉にしてしまうと、誰かの“育児の選択”を傷つけてしまうかもしれません。

だからお願いがあります。その感情は、どうか心の中にそっと置いておいてください

目の前の親子は、誰にも迷惑をかけずに、ただ「命を守りたい」「今日も元気に帰ってきてほしい」——その一心で、ハーネスという手段を選んでいるのです。

🌱今日も、笑って“ただいま”が言えるように

毎日を一緒に過ごすなかで、子どもが「じぶんでやってみたい」と言う瞬間がたくさんあります。

その気持ちを大切にしたいと思うからこそ、
ハーネスは親にとって、そっと見守るためのセーフティーネット

買い物帰りの駅で、娘が階段で足を滑らせかけたとき、私の手にあったハーネスのひもが、その小さな体を支えてくれました。

「ハーネスがあってよかった」と思えたあの瞬間は、今でも忘れられません。

ハーネスは、特別なものじゃなくていい。
ただ、「一緒にいようね」と伝えるための、小さなリード。笑って“ただいま”を言える毎日のために、こうした道具が、もっとやさしく受け入れられる世の中になりますように。

✍あとがき(最後に、少しだけ)

子育てのかたちは、本当にさまざまです。
家庭によって、子どもの性格によって、
“正解”なんて、ひとつじゃありません。

だからこそ、誰かの選んだ育児道具や工夫に対して、少しだけやさしいまなざしで見てもらえたら、それだけで子育てがしやすい社会に近づけるのではないでしょうか。

ハーネスという道具が、もっとやさしく受け入れられていきますように。

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